エルネア王国史〜プレイ日記〜

スマホアプリ『ワールドネバーランド・エルネア王国の日々』のプレイ日記です。ジェイソン国在住。年代明記・ネタバレ配慮ほぼ無し。スマホからの投稿です。

4代目(25) 夜の幸運の塔で

⚠️終盤にR15に相当する表現が含まれています。閲覧の際はご注意を願います。


【王国暦230年①】
今日はバーンさんとの初デート。朝からウキウキしています。


昨日の新年参賀の後に、デートに誘って下さったの。

お父様、お母様にも、ちゃんと挨拶して下さったわ。彼のきちんとしたところを、とても好ましく思っています。


デートは昼一刻。それまでに仕事を済ませてしまいましょう。

畑仕事をして、ラダのお世話をして...... お風呂で身体も綺麗にしたわ。服を着替えて香水をつけて、よしバッチリ! 街角広場に行きましょう。

広場のベンチに座って彼を待ちます。待ち合わせがこんなに心躍ることだったなんて、わたくし今まで知らなかった。胸に甘酸っぱい想いが広がります。


さあ昼一刻。待ち合わせの時間!

馬鹿馬鹿! わたくしの馬鹿!
今日は2日。仕事始めの日じゃない! 恋に浮かれて、大切な行事を失念してしまうなんて。

農場通りに強制転送。皆、制服の中で、わたくし1人だけが私服の仕事始め。
......恥ずかしい。管理員の皆さん、ごめんなさい。


集会が終わって昼2刻。バーンさんをお待たせしてる。急がなくては!

初めてのデートはシズニ神殿へ。最初からここに連れてきて下さるなんて。ここは結婚式を挙げる場所。わたくしたちもいずれ...。来年の今頃はきっと...。胸の高鳴りが止まりません。

バーンさんとわたくしは、毎日のように逢瀬を重ねました。あの方のことを思うと、こんなにも胸が苦しい。日一日と、彼はわたくしの全てとなっていったのです。


◇◇◇◇◇◇◇

そんなある日のこと。
この日もわたくしたちは共に過ごしておりました。

「すっかり夜になってしまいましたわね」
「貴女といると時間が速く過ぎる。...家まで送っていきましょう」

バーンさんは、必ずわたくしを家まで送って下さいます。少しでも長く二人でいたいから。わたくしも、ゆっくりと時間をかけて歩くのです。
この日は十四夜。満月と見紛うような月が、夜空に丸く浮かんでいます。

「......少し寄っていきましょう」
彼は、足を幸運の塔へと向けました。

夜の塔は人通りも絶えて、昼間とは異なる姿を見せています。闇に覆われて色を喪ったモノトーンの世界。聴こえてくるのは、微かな虫の声のみです。

硬質な月の明かりに照らされる二人。彼の手がそっと伸びて、わたくしの手を握りました。

「......月が... 綺麗ですね......」
彼の手に一瞬力が込められます。触れ合った手が熱い。

ーー貴女を愛しています。

彼の想いが手から全身に伝わって、わたくしを赤く染め上げます。


早鐘のように鳴る心臓。
あぁ、目眩がする。


「......死んでもいいわ...」
震える唇で吐息にのせて。わたくしは漸く返事を返しました。
わたくしの心も体も貴方のもの、と。


◇◇◇◇◇


エヴァさん......」
今や、わたくしは彼の腕の中。
彼の唇がわたくしの額に軽く触れ、両の瞼に、頰に落ちていきます。わたくしの唇を甘く柔らかい口づけが塞ぎました。次第に深く貪るようになっていくそれに、わたくしも懸命に応えていきます。

恋人たちの夜は次第に更けていきました。


◇◇◇◇◇◇◇


【あとがきみたいなもの】
「月が綺麗ですね」「死んでもいいわ」を使ってみたい。という理由で、後半部分が引っ付きました。二人共、言葉の意味は知ってる前提。(意味は後述)
脳内の萌えがイマイチ再現できてませんが、これでも頑張りました。(最初は『片恋』のその部分をトレースしようとした。無理だった←能力の限界w)
「月が〜」で萌えたい人はPixiv他にどうぞ。素敵な2次創作が大きめのジャンルなら大概あるはずなんで、タグで探してみて下さい。(エルネアの「月が〜」は個人サイトで書いてる方がいらっしゃいます)


★月が綺麗ですね
夏目漱石の「I love you.」の訳と言われる。
「我、汝を愛す」と訳した生徒に、漱石(英語教師)が「日本男子は『愛してる』とか言わない。月が綺麗ですねと言っとけば伝わる」と言ったのが由来。ただし本当に言ったかは不明。後世の創作とも言われる。
★死んでもいいわ
二葉亭四迷ロシア文学『片恋』を訳すときに、「私はあなたのもの(だから好きにして)」にあたる部分を「死んでもいいわ」としたのが由来。現代の訳では「あなたのものよ」になってるし、英語版も「Yours」らしい。ちなみに、この台詞が出て来る場面はむっちゃグッとくる。そこしか読んでないけど。こんなこと、こんなシュチュエーションで言われたらヤらざるを得まい!(何をだw)って感じです。

4代目(31) イベント『彷徨う捕食者』

タイトルの番号が飛んでいますが、ミスではありません。イベントは旬モノなので、先にこれを上げました。欠番が出揃ったら、時系列順に並び替えます。ストック溜まっているんで、今週来週は週に三回更新します。

【王国暦231年②】

緊急事態発生!
果樹園と練兵場の二箇所で次元の亀裂が発生した。
アンゲロスの侵略を防ぐため、今、騎士隊に出動命令が下される。そしてヤーノ商会も、古の文献にある美食を求めて調査を開始しようとしていた。

◇◇◇◇◇◇◇

ウィアラ「...という訳で、貴女には『邪眼の洞窟』に篭って、金塊モドキとイカの塩辛と魔人の薬を集めて来て欲しいの」
エヴァ「魔人の薬は分かりますけど、イカの塩辛って」
ウィアラ「イカのモンスターが出るのよ。ヤーノ商会が珍味として売れないか調べたいんですって」
エヴァ「......モンスター食べるの?」
ウィアラ「ええ」


凄い設定のイベントだなと思いました。魔人の釉薬も「魔人の身体の表面がガラスみたいに光ってて、戦闘後に魔人の生皮引っ剥がす」だったりして。ナニソレコワイ

  • 金塊モドキ=金塊のようなもの
  • イカの塩辛=軟体動物の塩漬け
  • 魔人の薬=魔人の釉薬(うわぐすり)

ーーーーーーーー

ウィアラ「討伐報酬はコレよ!ワ国の鎧にワ国武器!」

エヴァ「まぁ素敵!ランキング報酬は紹介しないの?」
ウィアラ「中の人はお金ないから100位以内に入るのは無理でしょ?」
エヴァ「デスヨネ」
※1〜5位が金の具足、100位以内が茶色の具足です。


ウィアラ「このイベントの為に、ステカンストさせたんだから、頑張って行ってらっしゃい!」

◇◇◇◇◇◇◇

という訳で、果樹園専門に潜ります。練兵場はタイムチャージ買うお金がないんでスルーです。
デュエル武器が有効らしいんで「王家の宝剣」装備。回復薬を節約するため、SPスキルに「R+ローゼルの加護」をつけて臨みました。
(今、下の画像見たら、王家の宝剣じゃなくて龍騎士の剣装備してた。装備間違えてたのに今頃気付くw)


私はソロで行きましたが、実力に不安がある人はキャラクタースロットのカンストキャラを連れて2人で行くと凄く楽になります。呼ぶ時にタイムゲージ10を消費しますが、見つけたアイテムは自分が総取りできます。

プレミアム加入なら、お友達のキャラを助っ人として呼ぶ手段もありますね。但し、こちらは見つけたアイテムを人数割にしますから、ポイントや順位を気にする人、イベント無課金〜微課金で報酬武器を揃えたい人には向かないようです。(でも、やってる人はキャッキャウフフしてて凄く楽しそうでした。ちょっと羨ましいw)

◇◇◇◇◇◇◇

17階までは自動探索を使ってオートで、18〜20階は手動でマメに回復しながら進みました。
出現した敵さん達はコチラです。↓


今回のイベの人気を一身に集めたモンスターです。防御姿勢が何とまあ可愛らしいこと! でも、火力が高いんで舐めてると痛い目に会います。

......体の表面光ってますね。やっぱ釉薬って、モンスターの生皮剥いでるのかしら...。
(否。モンスターが釉薬の入った薬壷持ってて、仲間同士で体に塗り合っこしてるんだよ!PCはその薬壷を拾うんだよ。想像すると可愛いから、私はこっちを採用するよ)

ーーーーーーーー

今回のイベのヘイトを一身に集めたモンスターです。回避率がやたら高い上にドレイン攻撃を使ってきます。

特に最後に出てくる赤いヤツ(画像無し)なんて、一撃でこちらのHP400〜500持ってって、自分を300とか400とか回復させたりしますからね。ベゴラ管のお世話になった人も結構いたんじゃないでしょうか。

しかし、コレ...... 美味しいのか?

ーーーーーーーー

戦いは数だよ兄貴!」を地で行ったモンスターです。兎に角ワラワラと数の力で押してきます。
持ってた剣と盾がカッコイイ! それ欲しいんですけど、くれませんかね。でも、未知の布切れはいらない。どう見ても君たちの腰巻だし。

カウンター使いだったようですが、私には一度も発動しませんでした。発動率低っ! 助かったけどw

◇◇◇◇◇◇◇

黒い鎧はなかなか落ちてくれませんでした。ポイントと順位を吟味して、20階まで行かずに10階マラソンに切り替えたら、最終日に2つ落ちました。

いつも思うけど、女の子の衣装可愛いですね。太腿がまた...... 色気があって良いです。


報酬の★4武器の能力(Max強化)はこんな感じ。↓

「王家の宝剣」より攻撃力・防御力が低く、CPも17だったりするのですが、クリティカルが出やすいように感じました。何よりアクションがカッコイイ! やっぱりワ国武器は良いですね。


イベントの最終順位は281位。イベント課金無しでもやり方次第で500位以内に入れて、報酬武器も全部取れて...... なので、良心的な設定なのではないでしょうか。(回復時間をきちんと計算して、イベント課金無しで200位以内に入った人もいるんじゃないかな)

今回のイベントも、たいへん楽しゅうございました。皆様もお疲れ様でした。
次のイベントは、2月9日(木)からのバレンタイン採取イベです。どんな報酬があるのかワクワクしますね。

4代目(24) 恋が実る時

【王国暦229年⑥】
爽やかな朝。うーん、今日もいい天気♪
寝室のカーテンを開けると、冬晴れの澄んだ空が広がっています。

今日は手早く仕事を終えて、バーンさんを幸運の塔にお誘いしなくては。「付き合って下さい!」って言ったら、彼は何て仰るかしら?「今更ですよ」って笑うかしら。

その前に、塔に誘う時の台詞も問題よね。「今、暇かしら?」だと、暇潰しみたいになってしまうし...。 やっぱりアレかな。


そうそう。コレコレ...... って、ひゃっ⁉︎ バーンさん⁉︎ いついらっしゃったの? てか、ここ、わたくしの寝室!

「僕と一緒に来てくれますね。さ、急いで」
わたくしの手を掴んで引っ張る彼は、いつになく強引です。
「ま、待って。出かけるなら着替えを。それより何処へ⁉︎ わたくし、まだ今日の分のお仕事を...」
「服はそれでいいし、仕事は後でいいから。......少し黙って」


半ば引き摺られるように、あっという間に邸宅の外へ。庭園や街角広場にいた友人たちが、目を丸くして見ています。

「バーンさん待って! みんなこっちを見てる」
「見せてるんですよ。......特に、貴女に朝から会いに来る人たちにね」
「......え?」




「さあ、着きましたよ」

ここは...... 幸運の塔。
1年中花が咲き乱れる恋人たちの聖地。ここに来たということは...。


エヴァさん」
一陣の風が吹き抜けて紅の花弁を揺らしました。そのうちの幾枚かがひらひらと舞い降りて来ます。
「僕は、貴女のことが好きです。今更と思われるかもしれませんが、僕と付き合ってくれませんか?」


あ.........!


胸の奥から喜びがこみ上げて来ます。自分から言うつもりではあったけれど、彼から告白されるのがこんなに嬉しいことだったなんて。

ええ、もちろん! わたくしも貴方のことが好きですわ。

想いを伝え合った恋人たちの時間。わたくしは彼の逞しい腕にそっと体を寄せます。
「わたくしも... 今日告白しようと思っていたの」
エヴァさん...」
「バーンさんったら凄く強引なんですもの。わたくし驚いてしまいましたわ」
「昨日、貴女が凄くモテると聞かされて... 他の男に取られたら...と居ても立っても居られなかった。......お嫌でしたか?」
「いいえ。わたくし... 嬉しかった」


バーンさんの手がわたくしの顔を持ち上げます。彼の唇がゆっくりと近づいてきて、わたくしはそっと瞳を閉じました。


チュッ。


わたくしのおでこに軽いキス。ーーえ?おでこ?
「ギャラリーがたくさんいますからね。僕は見せ付けたいんですが... 貴女は、衆人環視の中で初めてのキスなんてお嫌でしょう?」

衆人環視って......
まぁ! あっちにもこっちにも知った顔が。ジュニアータさんや弟のビッテンまでいるなんて!


「本当のキスは2人だけの時にね」

彼は、わたくしにだけ聞こえる声でこそっと言うと、弟たちの方へ歩いていきました。

4代目(23) 恋の行方

【王国暦229年⑤】
バーンさんが帰ってきました。夢でしか逢えなかった彼だけど、これからは毎日現し身に逢える。

ねぇ、ウォルフ。バーンさんが帰ってきたの。わたくし、とっても幸せよ。

「うみゅ♪」
イムが、ぱふん!と飛び込んできて、体をすりすり擦り付けます。

ありがとう!貴方も喜んでくれるのね!


◇◇◇◇◇◇◇


3年ぶりのあの方は、ちょっぴりプレイボーイになったみたい。ドキドキしすぎて心臓が止まってしまいそう。
再会の翌朝も、わたくしのところへいらっしゃって......

「まあ、これは春風の香水。これをわたくしにくださるの?」
「ええ、まろやかな香りが貴女にぴったりだと思って。貰っていただけますか?」
「嬉しい!さっそくつけてもよろしいかしら」
香水に伸ばしたわたくしの手を、彼がそっと抑えます。
「僕がつけてあげますよ」

え? ちょっ、ちょっと待って!
断る間も無く、彼の手がわたくしに伸びます。骨太な男性の指が愛おしむように首筋を撫でていきました。
「これで良しと。......うん、いい香り。似合ってるんじゃないかな」

全身を硬直させるわたくしを見て、彼はクスッと笑います。わたくしの耳元に口を寄せ、甘い声で囁きました。
「これは僕の気持ちです。香水を贈る意味は御存知ですか?」

いやぁ... 耳元でそんなことをおっしゃらないで...
わたくしは、その場にへたり込んでしまいます。

「じゃあまた後で!仕事が終わったら魚釣りに行きましょう。その香水、使って下さいね!」
彼は悪戯が成功した少年のような顔をして、走り去って行きました。

ーーーー

香水を贈る意味なら知っています。「貴女と深い関係になりたい。貴女はわたしだけのもの」
頭の中を言葉がぐるぐる回ります。
どうしよう... 立てない......。酷いわ。まだお仕事の途中なのに。
わたくしは暫くそこに座り込み、寄ってきたラダに囲まれるはめになったのでした。



◇◇◇◇◇◇◇


バーンさんとわたくしは釣りを好みます。この日は森の川辺に向かいました。狙いは柄付きエンツです。

「柄付きエンツにも色々あるけれど、わたくしはやっぱりイム柄が好き」
「奇遇ですね、僕もです。エンツの個体によってイムの体型が違うのは御存知ですか?」
「ええ。イムの柄が肥っていたり痩せていたりしますわね」
「そうそう! あれが面白くてね...... おっと掛かったかな」
竿を引き、掛かったエンツを釣り上げます。
「見て下さい。このイム柄は縦より横の幅の方が大きいですよ」
「まあホントだわ。おでぶちゃんのイムなのね」
屈託なく笑うバーンさん。こういうところは昔とちっとも変わりません。

「そろそろお昼にしませんか? わたくし、お弁当を作って来ましたの」
「やった! 荷物を見て、そうかなぁと思っていたんですよ。 貴女の料理は美味しいから楽しみだなぁ」


穏やかな森の川辺。柔らかな陽射しが木々の合間から零れ落ちてきます。時折聞こえる水音は、魚が跳ねる音でしょうか。フワフワの毛を纏ったモフが、わたくしたちの横をゆったりと通り過ぎていきます。
昼食を終えたわたくしたちは、そのまま座って川の流れを眺めていました。

「......のどかですね。この国に戻ってこれて本当に良かった」
「やはりご苦労されたのですか?」
「ええ... 色々ありました...」
彼は言葉を濁します。きっと言えないこともあるのでしょう。


エヴァさん... ちょっと膝をお借りしますね」
言うや否や、彼は横に転がって頭をわたくしの膝に乗せました。

これは噂に聞く膝枕とかいうやつですか⁈ わたくし初めてなんですが、この後どうしたら良いんですの⁉︎

わたくしの動揺を意に介さず、バーンさんはこちらをじっと見上げます。
エヴァさん...... 力を抜いて」
彼は、わたくしの腿を軽く優しく叩きました。わたくしの足からフッと力が抜けていきます。
「そう。そのまま楽にしていて...」
彼は手を持ち上げて、わたくしの頰に触れました。指先がわたくしの顔を確かめるようにゆっくりと動いていきます。
「......ずっと貴女に逢いたかった。夢の貴女はいつも儚くて、目を覚ますと消えてしまう。今も少し怖い。これが夢なんじゃないかって...。 でも、ここにいるのは本物の貴女なんですね」
鳶色の瞳が切なげにわたくしを見つめます。
「やっと... やっと貴女のところに帰ってこれた......」

わたくしの眼からほろりと涙が零れます。
「わたくしも... わたくしもずっと貴方に逢いたかった...」

辺りには川のせせらぎだけが響いていました。


◇◇◇◇◇◇◇


翌日のこと。
「ねぇ、エヴァ。一緒にお食事に行かない?」
この日の昼は、親友のジュニアータさんとランチです。酒場に着くや否や、彼女の質問攻めが始まりました。
「それで、ねぇ!バーンさんとはどこまでいったの? 私には教えてくれるんでしょう?」

ジュニアータさんが期待に目を輝かせて催促します。
「どこまでって...。昨日は2人で森の川辺で釣りをして......」
「ちっがーう! 行った場所じゃなくて......。 彼のキスはどんな感じ? ああいう真面目な人ほど激しかったりするのよね。もう指輪は貰ったりしたのかしら」
「え?キス? まだしたことないわ」
「え? まだ一度もしたことないの? 私相手に嘘つかなくていいのよ」
「......嘘じゃないもの」

顔を赤くして否定するわたくしに、ジュニアータさんは妙な表情を浮かべました。

「......ねぇ、エヴァ。念のため聞くんだけど、幸運の塔へは行ったわよね? 告白はどっちがしたの?」
「こくはく...?」
「『好きです。付き合って下さい』って、どちらが言ったの? バーンさん? それともあなた?」

それ......言っていないし、言われていない......

わたくしの様子を見て、ジュニアータさんも悟ったようです。
「.........まだ塔に行ってないのね」
「.........はい」

「もうー! あなたって、どうして肝心なところが抜けてるの!」
ジュニアータさんは机を両手で叩きました。
「あのねぇエヴァ。恋は闘いなの。『一瞬の出遅れで想い人を取られてしまった』『あと3秒早ければ私が告白できたのに』なんて話、掃いて捨てる程転がってるのよ!」
「......闘いなの?」
「闘いなの! 言っておくけどバーンさんはモテるのよ! モタモタしてたら他の女に取られちゃうんだから」
ジュニアータさんは、わたくしを指差し言い切りました。
「さあわかったら、とっとと家に帰る! 心の準備なりなんなりして、明日!塔で告白してらっしゃい!」

あっと言う間に酒場から放り出されてしまいます。
告白... 告白かぁ。いまさらのような気もするけれど、そうね、こういうことはきちんとしないと。
お風呂に入って、すっきりしてから帰りましょう。彼になんて言ったら良いかしら。何を着るかも考えないと。
いつもの調子に戻ったわたくしは、足速にバシアス浴場へと向かいました。


ーーーー


一方、酒場に残ったジュニアータさん。店の奥に向かって呼びかけます。
「バーンさん、そこにいるんでしょう。出てきなさいな」
物陰から彼が気まずそうに出てきました。
「.........いつから気付いていました?」
「気付いたのはさっき。それより、お話聞かせて下さるわね。夜まで付き合って頂くわよ」
「夜までですか?」
周りにいる女性客たちがチラチラとこちらの様子を伺っています。それを一瞥すると、ジュニアータさんは宣言しました。
「他の女に連れて行かれて告白されたら困りますもの。逃がしませんよ」

大輪の花のように笑うジュニアータさんは、大層美しくて......怖かった。
バーンさんは後に語りました。


◇◇◇◇◇◇◇


バーンさんも、すでに付き合ってる気になってて、告白してないことに気付いてなかったオチ。ただ、彼の場合は「エヴァさんにキスしたいのにできない。なんでコマンド出ないの?」とは思ってた模様。
「ここまでしといて付き合ってないんかw」とセルフツッコミしながら書いてたんで、書いてる本人は楽しかったです。長いけどw やっぱ最近のエントリー長いよね。

4代目(22) 光星に願う (2.1修正)

 【王国暦229年④】2017.2.1 修正

今年は白夜の年。

蒼く輝く光星に皆が願いをかける年。

◇◇◇◇◇◇◇ 

バーンさんと出逢ったのは、わたくしが6歳になる年のことでした。運命の出逢いと信じたあの日々は、青春の輝かしい記憶として大切にしまわれています。

 f:id:mukurin55:20170108185744j:image 

あれから4年。わたくしは9歳になりました。少しは世間も知りました。恋人ですらなかった殿方を待ち続けるなど、きっと愚かなことなのでしょう。

けれども忘れられないのです。あの方の言葉が、あの方の声が表情が。心が通い合ったあの瞬間が、どうしても忘れられないのです。 

「私は必ず......必ず貴女のところに戻ってきます」 

わたくしは待っています。言葉一つを支えにして。いつか会える日を信じて。

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

白夜の日のバグウェル戦は、叔母さまの勝利で幕を下ろしました。夜は王宮で祝勝会です。8年ぶりの龍騎士誕生とあって、会場は盛り上がりを見せています。皆に気付かれぬよう、わたくしはそっと席を外しました。

 

向かった先はニヴの丘。「王国で最も綺麗に光星が見える」と言われる場所です。明るいとはいえ夜の3刻。辺りは静寂に包まれて虫の声すら聞こえません。空には光星が煌々と、蒼白い光を放っています。

f:id:mukurin55:20170113094803p:image  

白夜の日に、光星に願うと願いが叶うーー。

言い伝えを信じて、一心不乱に祈ります。

どうか、どうかバーンさんに会わせて下さい。再びあの方に。どうかお願い......。

 

丘に跪き、光星に祈るわたくしを、ニヴの岩が優しく見つめていました。

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

数日後のことです。お母さまがわたくしを訪ねていらっしゃいました。

f:id:mukurin55:20170113100404j:image 

「ねぇエヴァ。今日のお昼にアンセルム国から貿易船が来るの。私の代わりにお買い物を頼まれてくれないかしら」

旅人から、あの方の話が聞けるかも。断る理由はありません。

わたくしはエルネア波止場に向かいました。

 

船が着いたばかりだからでしょう。波止場は大勢の人でごった返しておりました。

 f:id:mukurin55:20170113112855p:image

荷が次々と船から降ろされていきます。さすがはアンセルム国というべきか。船体や船員服の見事なこと。服や装飾品を収める荷箱にまで、美しい意匠が凝らされているようです。

 

凄いわ...。もっと近くで見てみたい。

わたくしの前の人波が急に途切れ、はるか彼方に男性の姿が見えました。オレンジ色の長髪を潮風に靡かせて、埠頭に佇む一人の青年。

見覚えのある深い緑の森人の服。たなびいたオレンジ色の髪が、陽の光に透けて金色に煌めいて。

 

あぁ......間違いない。  あの方は!

 

わたくしは、そちらに向けて駆け出しました。思うように動かぬ足に、もどかしさだけが募ります。

あの方はすぐそこ。わたくしの足よ、もっと速く動いて。少しでも早く、あの方のところへ。

近寄るわたくしに気づいたのでしょう。あの方もこちらに向けて走り出します。

 

人を掻き分けて互いに駆け寄る二人。一瞬にも永遠にも思える時が過ぎて、わたくしはあの方の胸に飛び込みました。あの方が無言でわたくしを抱きしめます。強く激しく。逞しい腕で窒息しそうな程抱きしめられます。

 

バーンさん.....  やっと...やっと会えた......。

 f:id:mukurin55:20170113113608j:image

 ーー光星は願いを叶えてくれました。 

  

◇◇◇◇◇◇◇ 

【あとがきみたいなもの】

暗くて鬱々しすぎてるんで、2017.2.1に修正入れました。ウダウダ悩むところはザッパリカットしたよ!

メンヘラ度は下がったけど、話のつまらなさは更に上がったよ!(ダメじゃんw)

盛りを過ぎた乙女の不安みたいのを書きたかったんだけど、不安定な心を書こうとすると、いつも単なるメンヘラになってしまう。最近、横溝とか京極とかばっか読んでるせいなんだろうか(^^;;

 

バーンさんとの恋なのに、バーンさん全く喋らないですw  そこがダメだという自覚はあるんで、次は頑張って喋らせてみます。

駄文を最後まで読んで下さって、ありがとうございました😊

4代目(21) 対バグウェル戦②

⚠️SS風です。今回はほぼ創作。

 【王国暦229年③】

《前回のあらすじ》

白夜の日の勇者対バグウェル戦。アンネローゼ(叔母さま)は必死に闘うが龍に押されて劣勢となる。起死回生の一撃は龍に躱されて、反撃を腹部に受けてしまった。

 

ーーーーーーーーーー

 4ターン目

轟音と共に煉瓦の壁が崩れます。壁に叩きつけられた叔母さまは、そのまま床に沈みました。瓦礫に埋もれた身体はピクリとも動きません。

闘技場を沈黙が支配します。

  

.........叔母さま...   倒されてしまったの......?

 

  

「もうイヤァーー!!」

貴賓席から女性の悲鳴が上がります。叔母さまの娘のレニーさんです。

「お母さまが死んでしまう!もう止めて!もうこれ以上は......!」

  

「姉ちゃん駄目だ‼︎ 」

制したのは、弟のジョフレ君。

「ボク達は母ちゃんと約束したんだ。ちゃんと最後まで応援するって。母ちゃんだって『絶対勝つ』って約束した!まだ母ちゃんは負けてない。辛くても怖くても、ちゃんと最後まで見なきゃ駄目なんだ!」

 

子供の小さな体が震えています。大粒の涙をいっぱいに溜めて、彼は母親に向けて叫びました。

「母ちゃん、ガンバレーー‼︎‼︎」

 

叫びが闘技場に谺し、観客の間に波紋が広がっていきます。それは呟きになり騒めきになり、じきに声援に変わりました。

「アンネローゼさま頑張って」「立って!起き上がって!」「負けないで!」

会場のあちこちから割れんばかりの声が上がります。

 

「.........う...」

叔母さまの意識が戻りました。

まだだ、まだ終わっていない。

皆の声援を全身に受けて、勇者が剣を支えに立ち上がります。その瞳から未だ闘志は消えていません。

 f:id:mukurin55:20170116195708p:image

 

叔母さまはゆっくりと息を吸い、半身の構えを取りました。肋にヒビが入っているのか、苦しそうな表情を浮かべます。

いえ、肋だけではありません。全身に傷を負って満身創痍。次が最後の攻撃となるでしょう。

 

彼女は腰を低く落として龍を睨みつけます。勇者の剣を握りしめて最後の突撃を開始しました。

 

5ターン目

バグウェルに向けて一直線に突き進む叔母さま。龍はその場で迎え撃たんと迎撃体勢を取りました。

叔母さまが懐から魔導カートリッジを取り出します。数は3つ。ソードバースト三連弾です。

 

バグウェルの周りで起こる激しい爆発。膨れ上がる3つの炎。闘技場の床が抉れて岩の塊が飛び散ります。土埃が激しく舞い上がり龍の姿を隠しました。

 

やったか⁉︎               いや......

 

「フハハハハ! 当たらなければどうということはない!」

高笑いする龍。全くの無傷です。魔法の狙いを外したのでしょうか?

 

いいえ違う! あれは最初からバグウェルの周りの床を狙った。何故ならーー

 

「むう...  勇者はどこへ消えた!?」

勇者を探して龍が左右を見渡します。叔母さまは見つかりません。

「ならば後ろか?」

右後ろの死角。そこにもいない。

「ぬうぅ...  どこへ行った!」

彼女がいるのはーー

「......上か!! 」

 

舞い上がった瓦礫を足場にして、叔母さまが龍の頭上高く跳んでいました。

 

闘技場の天窓の先には輝く光星。蒼白い光を背負って叔母さまが宙を舞っています。銀色の鎧は光を反射してキラキラと煌めき、腰のリボンはふわりと羽のように広がりました。 光の粒子を纏って翔ぶ姿は美しく、神の使いのように見えました。

 

「おぉ......」

一瞬、龍は彼女に見とれーー

 

 

次の瞬間、唐竹割りにされていました。

 

 

「試合終了! 勝者、勇者アンネローゼ!」

神官が右手を高く上げ、闘いの終わりを告げました。

 

 

閉会式

闘いを終えた勇者たち。

治癒の呪法が施された後に、閉会式が行われます。

f:id:mukurin55:20170116202105p:image 

叔母さまは龍からドラゴンドロップを、王から龍騎士の武器と称号を賜りました。レニー・ジョフレ姉弟が、それを誇らしげに見つめています。

f:id:mukurin55:20170117011810j:image

 

龍騎士アンネローゼよ。我は其方が気に入った。我はバグウェルの森にいる。いつでも会いに来るがよい」

そう言い残して、バグウェルは森へ帰っていきました。

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

f:id:mukurin55:20170117011501p:image

 叔母さまは、歴史に名を残しました。

 

 

ーーーーーーーーーー

《あとがきみたいなモノ》

実際のプレイでは、3ターンで割とあっさりバグウェルに勝利しました。本気バグウェルと比べて、手加減しすぎで弱い龍が不満だったので、この話では手強くしてみました。叔母さまと龍の怪我は試合後に治っています。

「SS風でバトル物」ということで書くのが非常に難しかった。聞いたような台詞があるのは、中の人がガノタだからですw

 

ギブルはこんな感じ。↓ 儲かりましたw

f:id:mukurin55:20170119193220j:image

4代目(20) 対バグウェル戦①

⚠️SS風プレイ日記(半分創作)です。バグウェルが悪役になっているので、ご注意下さい。

 

【王国暦229年②】

21日夕1刻。バグウェルと勇者アンネローゼの戦いが始まろうとしています。

「吐く炎は岩をも溶かし、鋭い爪は鋼をも引き裂く」と言われる龍。一瞬たりとも油断の出来ぬ相手です。

 f:id:mukurin55:20170115004752p:image

 

開幕の儀式を終えて、龍が正面立ちに構えました。戦闘体勢に入ったのです。

f:id:mukurin55:20170115025149p:image

  「勇者アンネローゼよ。4年ぶりだな。どれだけ成長したか我に見せてみるがよい」

 

神官の右手が高く掲げられ、今闘いが始まりました。

 

1ターン目

叔母さまの強みは、その素早さにあります。一瞬のうちに相手の懐に潜り込んで一撃を加える。敵の攻撃を身を翻して躱す。八艘に飛び回る叔母さまを捕まえられる者は、そう多くはありません。

開始の合図と共に、叔母さまはバグウェルの元に飛び込みました。

 

一撃、二撃、三撃...。

叔母さまは次々と攻撃をしかけます。固唾を飲んで見守る観客達。会場に響くのは乾いた剣戟の音だけです。

f:id:mukurin55:20170115025714p:image 

連続で刺突を繰り出す叔母さま、爪で攻撃を払いのけるバグウェル。両者の攻防が続きます。龍の鱗は盾よりも硬く、叔母さまの攻撃は功を奏していないようです。

刺突が煩くなったのか、龍が右手を振り上げました。叔母さまを横に薙ぎ払うつもりでしょう。鋭い爪が紅く不気味に光ります。

 

唸りを上げて襲い来るバグウェルの腕。叔母さまは身を屈めて掻い潜り、闘技場の床を蹴りました。

一瞬のうちに龍の懐に潜り込む叔母さま。刹那、時が止まりーー

 

ゼロ距離からくる斬撃!

 

切り上げた剣は、見事にバグウェルの腹に入っていました。

f:id:mukurin55:20170115030001p:image

 

「......4年前とは違うということか。面白い。少し本気を出すとしよう」

 

バグウェルは二度三度、翼を広げて羽ばたくと、凄まじい雄叫びを上げました。地獄の底から響き渡るような忌わしき咆哮。壁が小刻みに震え、松明の灯りが揺らぎます。龍が発する圧倒的な気が、人々の体に突き刺さります。

 

龍が攻撃を開始しました。

 

 

2ターン目

バグウェルの激しい攻撃に押されて、叔母さまは防戦一方になっています。龍の攻撃は重く、受け流すのは難しい。回避するにも限界があり、叔母さまの傷が増えていきます。

 f:id:mukurin55:20170115030745p:image

 

持久戦はこちらが不利。短時間で決めなければ。

 

バグウェルが大振りした後の隙を狙い、叔母さまが反撃に転じました。横に飛んで攻撃を避け、そのまま壁を蹴って龍の後ろに回り込みます。狙いは一点バグウェルの首。

 

「フン、甘いな」

 

その攻撃は読まれていました。宙を舞う叔母さまに巨大な緑の手が迫ります。鈍い金属音がして、彼女は鷲掴みにされました。捕らえられてしまったのです。

 

華奢な体が龍の右手に締め上げられます。 

「降参するなら今のうちだぞ」

「...誰が......!」

「強情な奴め。まあ女が苦しむ姿を見るのも悪くない。いつまで保つかな」

 

バグウェルは指に力を込めました。鎧の軋む音が観客席まで響いてきます。叔母さまの端正な顔が歪みました。このままでは鎧ごと握り潰されてしまう。どうしたら。

 

しかし、叔母さまの目は死んでいません。震える手で小さな筒を取り出しました。あれは魔導カートリッジ!

 

「ソードバースト!」

 

足元に浮かび上がる魔法陣。魔法がバグウェルの顔面に炸裂しました。龍の顔が炎に包まれ、右手が思わず弛みます。

叔母さまは脱出に成功しました。

  

「おのれぇ... よくも我の顔を。許さぬ...  絶対に許さぬぞ」 

バグウェルの血が床に落ちて赤いしみを作っていきます。爆発は龍の右目の視力を奪っていました。

 

 

3ターン目

バグウェルの右目側が死角だ。

そちらを狙って叔母さまは攻撃を繰り出します。基本の戦法は一撃離脱。片目では飛び回る彼女を捉えることはできません。

 

距離感が掴めず業を煮やしたバグウェルは、範囲攻撃に切り替えました。龍の口から灼熱の焔が吐き出されます。渦を巻いて襲い来るそれを、叔母さまはバックステップで躱します。

 

「ならばこれならどうだ?」

 

連続で吐き出される焔。床や壁が焦がされて、あちこちから火の柱が上がりました。壁のタペストリーにも燃え移り、騎士隊の紋章が焼かれていきます。

f:id:mukurin55:20170115033310p:image

荒れ狂う焔と熱風の中で、叔母さまは逃げ場を喪っていきました。

 

もはや長くは持たない。起死回生を図るため、狙うはゼロ距離、装甲の弱い腹部です。ここは初撃と同じ場所に斬り込むべきでしょう。

 

 

バグウェルの吐く焔を右に左に避けながら、叔母さまは龍に接近します。龍が左腕で放った横薙ぎを掻い潜り、至近距離から一撃を......

 

「我に同じ手が通じると思ったか?」

 

どんな達人でも技を放つ瞬間は無防備になる。バグウェルの右の拳が、まともに叔母さまの腹部に入っていました。

 f:id:mukurin55:20170115033524p:image

 

《対バグウェル戦②に続く》