エルネア王国史〜プレイ日記〜

スマホアプリ『ワールドネバーランド・エルネア王国の日々』のプレイ日記です。ジェイソン国在住。年代明記・ネタバレ配慮ほぼ無し。スマホからの投稿です。

4代目(23) 恋の行方

4代目

【王国暦229年⑤】
バーンさんが帰ってきました。夢でしか逢えなかった彼だけど、これからは毎日現し身に逢える。

ねぇ、ウォルフ。バーンさんが帰ってきたの。わたくし、とっても幸せよ。

「うみゅ♪」
イムが、ぱふん!と飛び込んできて、体をすりすり擦り付けます。

ありがとう!貴方も喜んでくれるのね!


◇◇◇◇◇◇◇


3年ぶりのあの方は、ちょっぴりプレイボーイになったみたい。ドキドキしすぎて心臓が止まってしまいそう。
再会の翌朝も、わたくしのところへいらっしゃって......

「まあ、これは春風の香水。これをわたくしにくださるの?」
「ええ、まろやかな香りが貴女にぴったりだと思って。貰っていただけますか?」
「嬉しい!さっそくつけてもよろしいかしら」
香水に伸ばしたわたくしの手を、彼がそっと抑えます。
「僕がつけてあげますよ」

え? ちょっ、ちょっと待って!
断る間も無く、彼の手がわたくしに伸びます。骨太な男性の指が愛おしむように首筋を撫でていきました。
「これで良しと。......うん、いい香り。似合ってるんじゃないかな」

全身を硬直させるわたくしを見て、彼はクスッと笑います。わたくしの耳元に口を寄せ、甘い声で囁きました。
「これは僕の気持ちです。香水を贈る意味は御存知ですか?」

いやぁ... 耳元でそんなことをおっしゃらないで...
わたくしは、その場にへたり込んでしまいます。

「じゃあまた後で!仕事が終わったら魚釣りに行きましょう。その香水、使って下さいね!」
彼は悪戯が成功した少年のような顔をして、走り去って行きました。

ーーーー

香水を贈る意味なら知っています。「貴女と深い関係になりたい。貴女はわたしだけのもの」
頭の中を言葉がぐるぐる回ります。
どうしよう... 立てない......。酷いわ。まだお仕事の途中なのに。
わたくしは暫くそこに座り込み、寄ってきたラダに囲まれるはめになったのでした。



◇◇◇◇◇◇◇


バーンさんとわたくしは釣りを好みます。この日は森の川辺に向かいました。狙いは柄付きエンツです。

「柄付きエンツにも色々あるけれど、わたくしはやっぱりイム柄が好き」
「奇遇ですね、僕もです。エンツの個体によってイムの体型が違うのは御存知ですか?」
「ええ。イムの柄が肥っていたり痩せていたりしますわね」
「そうそう! あれが面白くてね...... おっと掛かったかな」
竿を引き、掛かったエンツを釣り上げます。
「見て下さい。このイム柄は縦より横の幅の方が大きいですよ」
「まあホントだわ。おでぶちゃんのイムなのね」
屈託なく笑うバーンさん。こういうところは昔とちっとも変わりません。

「そろそろお昼にしませんか? わたくし、お弁当を作って来ましたの」
「やった! 荷物を見て、そうかなぁと思っていたんですよ。 貴女の料理は美味しいから楽しみだなぁ」


穏やかな森の川辺。柔らかな陽射しが木々の合間から零れ落ちてきます。時折聞こえる水音は、魚が跳ねる音でしょうか。フワフワの毛を纏ったモフが、わたくしたちの横をゆったりと通り過ぎていきます。
昼食を終えたわたくしたちは、そのまま座って川の流れを眺めていました。

「......のどかですね。この国に戻ってこれて本当に良かった」
「やはりご苦労されたのですか?」
「ええ... 色々ありました...」
彼は言葉を濁します。きっと言えないこともあるのでしょう。


エヴァさん... ちょっと膝をお借りしますね」
言うや否や、彼は横に転がって頭をわたくしの膝に乗せました。

これは噂に聞く膝枕とかいうやつですか⁈ わたくし初めてなんですが、この後どうしたら良いんですの⁉︎

わたくしの動揺を意に介さず、バーンさんはこちらをじっと見上げます。
エヴァさん...... 力を抜いて」
彼は、わたくしの腿を軽く優しく叩きました。わたくしの足からフッと力が抜けていきます。
「そう。そのまま楽にしていて...」
彼は手を持ち上げて、わたくしの頰に触れました。指先がわたくしの顔を確かめるようにゆっくりと動いていきます。
「......ずっと貴女に逢いたかった。夢の貴女はいつも儚くて、目を覚ますと消えてしまう。今も少し怖い。これが夢なんじゃないかって...。 でも、ここにいるのは本物の貴女なんですね」
鳶色の瞳が切なげにわたくしを見つめます。
「やっと... やっと貴女のところに帰ってこれた......」

わたくしの眼からほろりと涙が零れます。
「わたくしも... わたくしもずっと貴方に逢いたかった...」

辺りには川のせせらぎだけが響いていました。


◇◇◇◇◇◇◇


翌日のこと。
「ねぇ、エヴァ。一緒にお食事に行かない?」
この日の昼は、親友のジュニアータさんとランチです。酒場に着くや否や、彼女の質問攻めが始まりました。
「それで、ねぇ!バーンさんとはどこまでいったの? 私には教えてくれるんでしょう?」

ジュニアータさんが期待に目を輝かせて催促します。
「どこまでって...。昨日は2人で森の川辺で釣りをして......」
「ちっがーう! 行った場所じゃなくて......。 彼のキスはどんな感じ? ああいう真面目な人ほど激しかったりするのよね。もう指輪は貰ったりしたのかしら」
「え?キス? まだしたことないわ」
「え? まだ一度もしたことないの? 私相手に嘘つかなくていいのよ」
「......嘘じゃないもの」

顔を赤くして否定するわたくしに、ジュニアータさんは妙な表情を浮かべました。

「......ねぇ、エヴァ。念のため聞くんだけど、幸運の塔へは行ったわよね? 告白はどっちがしたの?」
「こくはく...?」
「『好きです。付き合って下さい』って、どちらが言ったの? バーンさん? それともあなた?」

それ......言っていないし、言われていない......

わたくしの様子を見て、ジュニアータさんも悟ったようです。
「.........まだ塔に行ってないのね」
「.........はい」

「もうー! あなたって、どうして肝心なところが抜けてるの!」
ジュニアータさんは机を両手で叩きました。
「あのねぇエヴァ。恋は闘いなの。『一瞬の出遅れで想い人を取られてしまった』『あと3秒早ければ私が告白できたのに』なんて話、掃いて捨てる程転がってるのよ!」
「......闘いなの?」
「闘いなの! 言っておくけどバーンさんはモテるのよ! モタモタしてたら他の女に取られちゃうんだから」
ジュニアータさんは、わたくしを指差し言い切りました。
「さあわかったら、とっとと家に帰る! 心の準備なりなんなりして、明日!塔で告白してらっしゃい!」

あっと言う間に酒場から放り出されてしまいます。
告白... 告白かぁ。いまさらのような気もするけれど、そうね、こういうことはきちんとしないと。
お風呂に入って、すっきりしてから帰りましょう。彼になんて言ったら良いかしら。何を着るかも考えないと。
いつもの調子に戻ったわたくしは、足速にバシアス浴場へと向かいました。


ーーーー


一方、酒場に残ったジュニアータさん。店の奥に向かって呼びかけます。
「バーンさん、そこにいるんでしょう。出てきなさいな」
物陰から彼が気まずそうに出てきました。
「.........いつから気付いていました?」
「気付いたのはさっき。それより、お話聞かせて下さるわね。夜まで付き合って頂くわよ」
「夜までですか?」
周りにいる女性客たちがチラチラとこちらの様子を伺っています。それを一瞥すると、ジュニアータさんは宣言しました。
「他の女に連れて行かれて告白されたら困りますもの。逃がしませんよ」

大輪の花のように笑うジュニアータさんは、大層美しくて......怖かった。
バーンさんは後に語りました。


◇◇◇◇◇◇◇


バーンさんも、すでに付き合ってる気になってて、告白してないことに気付いてなかったオチ。ただ、彼の場合は「エヴァさんにキスしたいのにできない。なんでコマンド出ないの?」とは思ってた模様。
「ここまでしといて付き合ってないんかw」とセルフツッコミしながら書いてたんで、書いてる本人は楽しかったです。長いけどw やっぱ最近のエントリー長いよね。